この記事では「ソニー ゲーミングモニター INZONE M9」をレビューします。
ソニーはこれまでゲーミングデバイスに関してはほぼほぼノータッチでした。
しかしINZONEとしてブランド化し、
「ソニーがあらゆるゲーム体験を変える」
をキャッチフレーズに、新規事業としてゲーミング業界に本格参入してきました!
そこでこれまで数々のゲーミングモニターをレビューしてきているわたしが、ソニー ゲーミングモニター INZONE M9をガチレビューしました。
今回、正直に良いところも悪いところもしっかりお伝えしています。
実際に使ってみた私個人の主観にもとづく感想であり、過度に製品の批判をする意図は一切ありません!
その点だけは、ご留意いただければ幸いです。
ソニーのゲームデバイスに興味がある方は、ぜひとも参考にしてみてください!
\Youtubeでも動画レビューしています/
INZONEのゲーミングモニターについてサクッと紹介
本格レビューに入る前に、まずはINZONEのゲーミングモニターについてサクッと紹介します!
今回発売されたゲーミングモニターのラインナップは、次の2つです。
ソニーといえばBRAVIAシリーズが有名ですよね?
ソニーは2021年の国内テレビ販売シェアがNo1と、絶対的な王者です。
BRAVIAには「Perfect for Playstation5」という、PS5との連携機能は既に搭載されていました。
なのでPS5でゲームをプレイするのであれば、わざわざゲーミングモニターを準備しなくてもBRAVIAのテレビを買っておけば事足りました。
しかし、裏を返せばどこまでいってもPS5のことしか考えられていなかったんです。
対応する解像度やフレームレートは4K/120fpsですからね。
しかし、今回のゲーミングモニターのラインナップはゴリゴリです!
- NZONE M9モデルが4K/144Hz
- INZONE M3モデルがフルHD/240Hz
今までは自社のプラットフォームであるPSシリーズにフォーカスしていましたが、
「ソニーがあらゆるゲーム体験を変える」
のコンセプトどおり、完全にPCゲーマーも視野に入れた仕様になりました。
INZONE M9の付属品&外観チェック
それでは開封しながら、INZONE M9の付属品と外観をチェックしていきます!
INZONE M9の付属品チェック
まずは付属品のチェックから。
モニター本体、
大き目のACアダプター、
モニタースタンドの土台、
PS5みたいなモニタースタンド、
取説類。
付属品は以上です。
特にビックリするようなものはなく、一般的なゲーミングモニターの付属品ですね。
ただ、モニタースタンドのクセが強いw
もうあきらかにPS5を意識して作られていますね!
このクセのあるモニタースタンドがどんな感じで装着されるのか?
実際に装着して、外観をチェックしていきます!
嫌な予感がしてきましたw
INZONE M9の外観チェック
まずこれが付属のモニタースタンドを装着した状態です!
ポジション調節は残念なことに、高さ調節とチルト調節しかありません。
一般的なゲーミングモニターだと、高さとチルト以外に左右の首振りの調整もできます。
しかしINZONE M9には首振りの調節機能はついていません。
しかも前後のチルトも20°しか可動しないし、
高さ方向も一番下に下げた状態から上昇方向に7cmしか上げられません。
他メーカーのモニターだと10cmぐらいは上げられるので、専用のモニタースタンドだとかなり自由度が低いと言わざるを得ません。
やっぱり外見に全振りしてしまったので、クセが強すぎなスタンドです。
あと、モニタースタンドが前面と背面から出っ張りすぎ。
家にあったモニタースタンドとざっくり比較しましたが、やっぱりクセが強すぎです。
モニタースタンドに関しては、
- 首振りができない
- 前面と背面の出っ張りが大きすぎる
- 可動域が少なく自由度が低い
といった感じなので、使い勝手はちょっと微妙かもです。
「ソニーがあらゆるゲーム体験を変える」というコンセプトなのであれば、奇抜な外観にするのではなく、ユーザー体験を向上させることに注力した方が良いかなというのが率直な感想です。
INZONE M9のインターフェース
次はモニターのインターフェースを見ていきましょう!
本体裏面左側モニター(正面から見ると右の裏側)に、グリグリと操作できる「ジョグスイッチ」と「電源」がついています。
インターフェースは結構充実しています!
インターフェース |
---|
①ヘッドホン出力 ②USB TypeA ③USB TypeA ④USB TypeA ⑤USB TypeB ⑥USB TypeC ⑦DisplayPort 1.4 ⑧HDMI 2.1 ⑨HDMI 2.1 ⑩電源 |
リフレッシュレートは、PCとHDMI接続する場合には120Hzまでしか出ません。
PCで144Hz出ないモニターもありますが、INZONE M9はHDMI接続でもDisplayPort接続でもしっかり144Hzまで出力できています。
ちなみに補足ですが、PS5とHDMIケーブルで接続してみるとしっかり4K 120Hzが出力できているのでPS5の性能を最大限に引き出してくれるモニターと言えますね!
INZONE M9の特徴について
INZONE M9の外観を見ただけだと、スタンドのクセが強いだけで特に変わり映えしないゲーミングモニターです。
なので、次はINZONE M9の特徴について見ていきましょう!
ちなみに、カタログの内容をおさらいするようなことはしません。
実際に使ってみて感じた特徴を挙げていきます。
INZONE M9の特徴は、次の3つです。
それぞれの特徴をサクッと説明します!
INZONE M9の特徴1:映像がガチでキレイすぎる
まずは1つめの特徴は「映像がガチでキレイすぎる」です。
わたしは今までメーカー貸出品も含めれば10台以上のゲーミングモニターを使ってきましたが、ソニーの新型ゲーミングモニターはガチでヤバい!
パッと見の特徴は、
- ベゼルが上部が7mm・側面が9mmとかなり薄い
- 解像度が4K
といった感じ。
4Kのゲーミングモニターって、特に珍しいものではないですよね。
なのでINZONE M9を実際に使う前は、
あぁー、4K画質ね!はいはいw
ぐらいの気持ちでした。
しかし、実際にモニターを使い始めるとかなり驚きました。
- 「なんか映像のメリハリがしっかりしてめっちゃ見やすい」
- 「っていうか色がクッキリして没入感半端ないだろ!」
- 「黒の表現がまるで有機EL?」
って感じ。
なぜかは分からないんですが、めっちゃ映像がキレイに見えたんです!
想定していた「綺麗のハードル」をサクサクっと飛び越えてきましたw
まるで有機ELのような綺麗さ!
わたしは映像の専門家でもないし、モニターの専門家でもありません。
ただのゲーム好きなユーザーなんですが、あまりの衝撃に「綺麗で凄いね!」よりも「なんで?こんなに違うの???」っていう気持ちが高まってしまいました。
なのでいろいろと調べました!
するとなぜこんなに没入感の高い綺麗な映像になるのか、答えが分かりました!
INZONE M9は「直下型LED部分駆動」を搭載してるんです!
モニターのパネルには、エッジ型と直下型の2種類があります。
エッジ型はその名の通り、上下左右のエッジにバックライトを配置する方式。
安く作れるし消費電力も少ないので、広く普及している方式です。
直下型は、パネルの前面にLEDを配置する方式です。
もちろんエッジ型よりも高価だし、消費電力もゴリゴリ増えます。
しかし直下型だと部分駆動させることにより、コントラストをものすごく上げることが可能なんです!
パネル全体に配置したLEDを部分的に輝度調節することにより、液晶の弱点である純度の高い黒表現とメリハリのある高コントラストが実現可能に。
今回レビューしているINZONE M9は、直下型LED部分駆動搭載です。
4K映像をゴリゴリにメリハリのあるコントラストで表現してくれるので、わたしみたいな一般ゲーマーでも「なんかよく分からんけど、美しいw」ってなるんですね。
・・・なかなか伝わりづらいかもなので、ぜひともお近くの電気屋さんで実物を見てみてください!
INZONE M9の特徴2:スペックに対して値段が高い印象
2つめの特徴は「スペックに対して値段が高い印象」です。
あくまで個人的な感想ですが、このモニターの値段、高くないですか?w
映像は本当に素晴らしいです。
このモニターを使って映画を見たら、めちゃくちゃ没入感高い体験ができると思います!
とはいえ、値段高くないですか?w
INZONE M9は海外のレビューサイトで高い評価を得ており、そのことはわたしも知っています。
「直下型LED部分駆動としてローカルディミングされる調光ゾーンが96箇所ある」ということもリサーチ済みです!
公式資料では読み取れなかった細かいスペック情報も、調査範囲を海外メディアにまで広げて調べています。
でも、みなさん・・・海外でのINZONE M9の販売価格は899.99ドルなんですよ。
執筆時のレートで円換算すると、約11万8千円です。
899ドルでこのモニターが買えるのであれば、わたしは即買いしています!
しかし、日本での実売価格は14万円と微妙に高い。
なぜ海外と日本で販売価格に差があるんだ?
INZONE H9はゲーミングモニターとしてスペックだけを見ても、最上級モデルというわけではありません。
- IPSパネルで解像度が4K
- 144Hzのリフレッシュレート
- 応答速度がGtoGで1ms
スペック的にはごく普通の、一般的なゲーミングモニターです。
応答速度については、GtoGで0.5msのモニターもちらほらあります。
色表現についても、INZONE M9はDCI-P3でカバー率が95%ですが、他のゲーミングモニターは軒並み98%を超えています。
なのでむしろ少し劣っているのか?とすら感じられるくらい。
DCI-P3のカバー率が他社よりも低いことについてソニー担当者に確認したのですが、回答は以下の通りでした。
DCI-P3カバー率ですが、メーカーによって【何を基準にするか】が曖昧です。
理論値を公表しているメーカーもあれば、最低保障値を公表しているメーカーもあります。
ソニーは最低保障値を公表値としているので<カバー率95%以上>と表現しております。
だそうです。
何か闇を感じましたので、これ以上はツッコみませんw
それからINZONE M9では、
- 画面がズレる「ティアリング」や画面がカクつく「スタッタリング」への対策としてG-SYNC
- PS5でも使えるようにVRR
を搭載しており、これらが特徴になっています。
しかしこれも他社のゲーミングモニターですでに搭載されているので、目新しい機能ではありません。
また、VRRに対応したゲーミングモニターも多数あります。
「ソニーがあらゆるゲーム体験を変える」っていうコンセプトの製品なので、モニターを使う前までは「どんな体験をさせてくれるのか?」って感じでテンションMAXでした。
しかし実際に使ってみて感じた最高なゲーム体験は、映像の美しさだけでした。
なので、個人的な感想としては「これってINZONEじゃなくてもよくない?」になります!
海外での販売価格899ドルであれば、わたしは即買いします。
「このスペックのモニターがこんな値段で買えるのかよ!」って感じで、競合製品と比較したときにかなりの優位性を感じますので。
しかし14万円となると、INZONE M9を選ぶ理由が見つけられませんでした。
もしも有識者の方で「14万円のINZONE M9を選ぶべき理由はこれだ!」というものがあるのであれば、コメントで教えていただけると嬉しいです!
INZONE M9の特徴3:スピーカーは正直ガッカリ
3つめの特徴は「スピーカーは正直ガッカリ」です。
ネガティブな特徴ばかりで大変申し訳ありませんが・・・スピーカーは無くて良いと思います。
一般的にモニターの付属スピーカーは、ペラッペラな音で微妙すぎるものです。
でも、最近レビューした別のゲーミングモニターで「えっ?モニターでこんな音でるの!?」というぐらい衝撃を受けたものがありました。
競合製品なので具体的な製品名は出しませんが、ガチで驚きました!
そんな体験をしたわたしがINZONE M9のスピーカーを使ってみたら、かなり残念な印象を受けたんです。
ゲーミングモニターに14万円も払うユーザーが、こんな申し訳程度のサウンドで満足するはずがない。
そもそも「スピーカーなんて要らないよ」って方もいるでしょう。
なのでコストを下げるためにも、スピーカーは無しでも良かったと思います。
INZONE M9を使ってゲームをプレイしてみた!
とはいえ、実際にゲームをプレイしてみないと使い心地は分かりません!
なので今回貸与いただいたゲーミングモニターINZONE H9を使用してAPEXをプレイしてみました。
INZONE H9でゲームをプレイしてみた感想は、
「超最強すぎる!!!」
「めちゃくちゃ最高です!!!」
って感じではないですw
優秀なゲーミングモニターは他にもたくさんあるので、ソニーのINZONEでなければいけない理由が見当たりませんでした。
PS5との連携が強いということであれば、今までのBRAVIAでもいいのでは?という感があります。
直下型LED部分駆動についても他社のゲーミングモニターでも採用されている技術なので、目新しさが感じられない。
そこで、直接ソニーの担当者の方に「他社との有意差ってありますか?」って質問してみました。
回答としては、
ソニーがブラビアやプロフェッショナル向けマスターモニターなどで培ってきたノウハウを元に、
直下型LED部分駆動のアルゴリズムを追い込み、高い性能を実現できております。
とのことでした。
要はLEDの光らせ方をめっちゃ追い込んでるので、高い性能が発揮できるらしいです。
わたしは直下型LED部分駆動のモニターを比較したことがないので、他社製モニターと比較してどのぐらい有意差があるのかは判断できていません。
しかし、INZONEのコンセプトである「ソニーがあらゆるゲーム体験を変える」をもとに考えると、やはり期待値の割にはガッカリしてしまった感が否めません。
今後の製品では「ソニーがあらゆるゲーム体験を変える」そんなゲーミングデバイスを開発していただけると、ゲーミングデバイス大好きゲーマーとしてはめちゃくちゃ嬉しいです!
まとめ:映像はきれいだが割高感は否めない
ソニーのゲーミングモニター INZONE M9をレビューしました。
INZONE M9の良かった点と悪かった点は以下になります。
良かった点 | 悪かった点 |
---|---|
4Kでキレッキレの映像が素晴らしい | 日本での値段設定 |
INZONE M9の良かった点
INZONE M9の良かった点は、4Kでのキレッキレの映像です。
直下型LED部分駆動による映像表現は、エッジ型を搭載している4Kのゲーミングモニターでは比較にならないほど綺麗で美しいです。
映像だけであれば即買いレベルで素晴らしいゲーミングモニターでした。
INZONE M9の悪かった点
INZONE M9の悪かった点は、日本での値段設定です。
海外では899ドルの価格設定なので、非常に競争力があるモニターだと思います。
しかし日本では14万円という、海外よりも高い価格設定。
なので、割高な印象は拭えませんでした。
インフルエンサーの方々は多少の忖度があったかもしれませんが、わたしのレビューは実際に使ってみて感じたリアルな感想です。
ぜひ購入の参考にしてくださいね!
このレビューでソニーさんが気を悪くして製品貸出ができなくなったら、今後は自腹で購入してレビューしていこうと思いますw
ヘッドホンもレビューしてます!
ソニーのゲーミングヘッドセット「INZONE H9」については、以下の記事をご覧ください。
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