この記事ではMSIのゲーミングWi-Fiルーター「AX6600 MSI」をレビューします!
PCパーツやゲーミングデバイスを開発している世界的なゲーミングデバイスメーカーであるMSIが、WI-Fiルーター業界に参入しました!
そして「ヒートパイプ付きWi-Fiルーター」といういまだかつてない製品を開発しました。
Wi-Fiルーターをヒートパイプで冷却するとどんな良いことがあるのか?
そもそもヒートパイプで冷却する意味あるの?
って気になりますよね。
そこでこの記事ではMSIが初めて開発したWi-FiルーターRadiX AX6600を実際に使ってみて良かった点・悪かった点をまとめました。
製品貸出を受けてレビューしていますが、忖度せずにガッツリ解説しています!
「MSI信者だから気になってた」
「ゲームに適したWi-Fiルーターを探してる」
という方は、ぜひとも参考にしてみてください!
\Youtubeでも動画レビューしています/
RadiX AX6600のファーストインプレッションと付属品チェック
まずはRadiX AX6600のファーストインプレッションから!
わたしは今まで5台以上のゲーミングWi-Fiルーターをレビューしてきた、なかなかのヤバい奴ですw
ゲーミングWi-Fiルーターには1台5万円を超える値段のものあるので、普通の人は手にする機会が少ないはず。
そんなゲーミングWi-Fiルーターマニアの私がRadiX AX6600を開封しながら思ったことは「このWi-Fiルーター、マジで普通」。
一般的なルーターよりもゲームに特化させたものが、ゲーミングWi-Fiルーターです。
見た目のインパクトもゲーミングWI-Fiルーターの魅力だと思いますが、RadiX AX6600はいたって普通の見た目。
このMSIのこのロゴが無ければ、TP-Linkのルーターと言われても分からないぐらいでした。
そんなMSIのゲーミングWi-FiルーターRadiX AX6600の付属品はこちら。
RadiX AX6600本体、
電源ケーブル、
LANケーブル、
取説類、以上です。
付属品はほぼありません。
MSIがWi-Fiルーター界隈に新規参入とのことなので何か特別なものがあるかも?と期待していましたが、そんなものは無く。
ただただ普通のルーターって感じでした。
RadiX AX6600の外観チェック
次にRadiX AX6600の外観をチェックしていきます!
まず本体のサイズは、
- 横幅:338mm
- 縦幅:224mm
- アンテナを垂直にしたときの高さ:198mm
って感じで、そこそこ小さめです。
この2倍ぐらいのサイズのゲーミングWi-Fiルーターもありますが、大きいと置き場に困ります。
なので、このぐらい小さめのサイズ感は非常にありがたいですね!
本体を俯瞰して見てみましたが、いたって普通ですw
特に驚きのある外観ではありません。
というのも、このルーターは記事編集時点の実売価格が約48,000円というかなり強めな価格設定になっています。
ゲーミングWI-Fiルーター界隈で単純なスペック比較をしても、割高感を感じずにはいられません。
「さぞや素晴らしいスペックなんだろうな!」ってことで、次はインターフェース周りをチェックします。
RadiX AX6600のインターフェースチェック
RadiX AX6600のインターフェース周りをチェックしていきます。
RadiX AX6600のインターフェースは、以下のとおり。
RadiX AX6600のインターフェイス |
---|
①電源端子 ②電源ボタン ③USB 3.2 Gen 1 x1 ④2.5G WAN/LANポート x1 ⑤1G WAN/LANポート x1 ⑥1G LANポート x3 ⑦1G LANポート x3 ⑧1G LANポート x3 ⑨リセットボタン |
Wi-Fiルーターに知見がある方なら「あれ?この価格帯でこのインターフェースなの?」って思いますよね。
そうです!
このゲーミングWi-Fiルーターは、10Gbpsに対応したポートが搭載されていないんです!
そもそも10Gbbsって何だよ?
という方に向けて、めちゃくちゃ簡単に説明します。
最近の光回線には「10Gプラン」というヤバいプランがあります。
- ドコモ光
- auひかり
- NURO光
といった有名なプロバイダには、かならず準備されているプランですね!
10Gプランにすると、通信速度が圧倒的に早くなります。
ちょっと早くなるとかではありませんw
圧倒的に早くなるんです!!
そしてパケットロスが発生しにくくなるという、オンラインでゲームをプレイする方であれば誰しもが手に入れたい神回線です。
ちなみにパケットロスは「パケロス」と言われており、ゲームプレイ中のカクツキやラグさを引き起こす原因と言われています。
通信速度は一般的な光回線であれば
- フレッツ系で300Mbps程度
- 独自回線系で400~500Mbps程度
が目安。
それに対して10Gプランは、2〜3Gbpsほどの通信速度が出ます。
ってことは、一般的な光回線と比較すると約10倍も通信速度が早くなるんです!
FPSなどのオンラインゲームをする場合、カクツキやラグさに影響するパケットロスも発生しにくくなるので、ゲーム環境がめちゃくちゃ快適になりますね!
そんな神回線が、光回線の10Gプランです。
話をWi-Fiルーターのインターフェースに戻すと、このRadiX AX6600は10Gbbsに対応したポートが無いんです!
同価格帯のゲーミングWi-Fiルーターであれば、10Gbbsに対応したポートを搭載しているモデルが多いです。
そんな中、2.5GbbsのWAN/LANポートしか搭載していないのは、ちょっと残念な仕様かなと感じました。
ゲーマーは基本有線接続ですからね
RadiX AX6600の管理インターフェースについて
外観チェックが終わったので、実際にルーターをネット接続していきます。
接続手順はめちゃくちゃ簡単。
ルーターを有線もしくは無線接続させてPCのブラウザで http://msirouter.login を入力し、デフォルトのユーザー名とパスワードを入力。
接続情報を入力すれば、あっという間に完了します。
あとは管理インターフェースにアクセスして、好きな設定に変更すればOK。
ゲーミングや動画ストリーミング、在宅勤務といったモード選択が行えたり、
MSI Firstの設定、
ネットワークの状況をモニタリングしたりと、必要最低限のことは管理インターフェースで行えますね!
管理インターフェースは、
- Webブラウザからアクセスできる「Web UI」
- 専用ソフトウェアの「MSI Center」
- スマホアプリの「MSI Router」
と、3種類のアクセス方法があります!
すべての設定が行えるのが、ブラウザからアクセスできるWeb UI。
Web UIにくらべて8割ぐらいの設定ができるのが、スマホアプリのMSI Router。
必要最低限の設定だけが行えるのが、MSI Centerとなっています。
なので、基本的にWeb UIで設定を行うのがベスト。
専用ソフトウェアのMSI CenterではWeb UIで設定できる詳細設定が一切触れない状態なので、あまり活躍の出番はなさそう。
スマホアプリのMSI RouterはQRコードでゲストWi-Fiを発行できます。
「友達を自宅に呼ぶことが多いけど、自宅のWi-Fiにはアクセスさせたくない」という方には、とても重宝しますね。
とはいえ他メーカーでもこういった管理インターフェースは備えていますので、特にめちゃくちゃ凄いってわけでは無いです。
RadiX AX6600の3つの特徴
次はRadiX AX6600の特徴をみていきましょう!
主な特徴は、以下の3つです。
それぞれの特徴を、サクッと紹介していきます。
世界初のヒートパイプ搭載WI-Fiルーター
1つめの特徴は「世界初のヒートパイプ搭載WI-Fiルーター」です。
今まで、Wi-Fiルーターの放熱についてフォーカスされた製品は聞いたことがありませんでした。
しかしMSIは、ゲーミングノートPCの開発で培った放熱技術をWI-Fiルーターに適用してきたんです!
世界で初めてヒートパイプとグラフェンコーティングのヒートシンクを採用したゲーミングWi-Fiルーターが、このRadiX AX6600になります!
冷却性能により、大量のトラフィックが発生する環境下や熱暴走してもおかしくない熱々の室内でも安定した稼働を維持することができます。
とはいえ、今までWi-Fiルーターが熱暴走した経験がないので、ここまでして冷却する必要があるのイマイチ分からなかったです。
ルーターってどのぐらいで熱暴走するんだろ…
MSIのMSIによるMSI信者のためのルーター
2つめの特徴は「MSIのMSIによるMSI信者のためのルーター」です。
私は今まで、複数のゲーミングWi-Fiルーターを実際に使ってレビューをしてきました。
なので、
- 高速の通信速度
- AI QoS
- 専用の管理画面を搭載
ってことでは、特に感動はしません。
なぜなら、RadiX AX6600よりも安く買える他社のゲーミングWi-Fiルーターでも同等レベルの機能を搭載しているから。
しかし、そこはゲーミングデバイスメーカー大手のMSIです。
しっかりと製品の強みを準備しております!
それが「MSI First」です。
簡単に説明します。
従来のAI QoSは「帯域制御」と「優先制御」が主な機能です。
AI QoSの制御により、ゲームモードやストリーミングモードなど、特定のネットワークトラフィックを自動的に優先順位付けして帯域幅の使用率を動的に調整してくれます。
「MSI First」は、MSI製品のみにフォーカスして「帯域制御」と「優先制御」するという機能です!
- MSI製のマザーボード
- MSI製のゲーミングノートPC
- MSI製のデスクトップPC
- MSI製のWi-Fi USBアダプター
これらのMSI製品を使っていれば、優先的な通信を行い通信速度を低下させずにラグのない快適な通信環境を維持させますよ、という機能がMSI Firstです。
まさに「MSIの、MSIによる、MSI信者のためのゲーミングWi-Fiルーター」です。
AI QoSの斜め上をいく機能でしたw
価格に対して性能がマッチしていない
3つ目の特徴は「価格に対して性能がマッチしていない」です。
1つめ・2つめの特徴で良いところを取り上げましたが、もちろん悪い特徴もあります。
それが、価格に対して性能がマッチしていないこと。
あくまで私個人の感想ですが、値段が高すぎる印象です。
たとえば4万を超えるWi-Fiルーターであれば搭載していて欲しい
- 10Gbbs対応ポート
- ゲーミングLANポート
- Wi-Fiメッシュ機能
などがありません。
今まで複数のゲーミングWi-Fiルーターを実際に使ってきたからこそ「あれ?あの機能ないんだ?」「おお!これが搭載されてない!」と、少し残念な気持ちになりました。
とはいえ、MSIがこれからゲーミングWi-Fiルーター界隈に参入していくっていう意気込みは感じられる製品かなって思います!
これからの開発に期待です!
RadiX AX6600を使って実際にゲームをプレイしてみた!
外観や特徴はしっかりチェックできましたが、実際にゲームをプレイしてみないと使い心地は分かりません!
なのでRadiX AX6600を実際に使って、APEXをプレイしてみました。
まずはRadiX AX6600最大の特徴といっても過言ではない「MSI First」について確認してみました。
みなさんのご自宅にも1台はあるであろうMSI製のゲーミングノートPCを用いて、「MSI First」ありなしでの通信速度を測定しました。
測定結果はこちら↓
通信速度に関しては、「MSI First」ありなしで明確に有意差がありますね!
「MSI First」ありの場合、約20%は速度改善の効果がありそうです。
やはりQoSの上をいくMSI製品だけ優遇して「帯域制御」と「優先制御」を行うので、効果はそこそこありそうです!
とはいえ、レイテンシに関してはそこまで優位差がハッキリと見て取れませんでした。
アップロードのレイテンシは、ほぼほぼ変化なし。
そして、ダウンロードのレイテンシに関しては、約16%性能ダウンという結果w
通信領域の有識者の方はこの結果についてどういったことなのか?ぜひともコメントいただけると嬉しいです!!
ってことで気を取り直して、RadiX AX6600に無線接続してAPEXをプレイしてみました。
ちなみにゲームをプレイする際は基本的に有線接続が推奨されますので、
部屋の構造上、どうしても有線接続できない
という方以外であれば、無線ではなく有線接続でゲームをプレイすることを激しくおすすめします!
ってことで、注意喚起はこれくらいにして実際に無線接続してみると・・・
ping値はざっくり100越えw
マジっすか・・・
あいにく私が住んでいる地域は10Gプランに対応しておらず、泣く泣く1Gプランで我慢しているっていう状況。
さらに検証している時間帯がめちゃくちゃネット回線が混み合う夜9時なので、仕方がないのかもしれませんが・・・
私の住んでいる地域が10Gの超高速回線に対応することを切に願いますw
ということで、いくら高性能なゲーミングWi-Fiルーターを使ったとしてもそもそも自宅のネット回線がゴミだと微妙だし、有線接続ではなく無線接続でも微妙でした。
まとめ:「これからに期待!」のWi-Fiルーターでした
MSIのゲーミングWi-FiルーターRadiX AX6600をレビューしました!
実際に使ってみて感じた「良かった点」と「悪かった点」を以下にまとめました。
良かった点 | 悪かった点 |
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ヒートパイプ付きゲーミングWi-Fiルーターが珍しい MSI Firstはそこそこ使えそう | 値段に対する性能が見合ってない感じがする |
良かった点
良かった点 |
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ヒートパイプ付きゲーミングWi-Fiルーターが珍しい MSI Firstはそこそこ使えそう |
ヒートパイプ付きゲーミングWi-Fiルーターが珍しい
ヒートパイプによってゲーミングWi-Fiルーターを冷却するっていう発想が、とても面白いですよね!
私は今までWi-Fiルーターが熱暴走してとんでもない目にあったことが無いので、Wi-Fiルーターをヒートパイプで冷却した場合にどれだけメリットがあるのかは正直分かりません。
ヒートパイプ付きではない一般的なゲーミングWi-Fiルーターでも、特に問題を感じていませんでした。
とはいえ、世の中にはWi-Fiルーターの熱暴走で困っている方もいるかも。
そういった方には、ヒートパイプを搭載したWi-Fiルーターが強い味方になってくれることでしょう!
MSI Firstはそこそこ使えそう
実際に使う前は「MSI Firstって何だよw」と全く期待していませんでした。
しかし、実際に使ってみるとMSI製品を最優先した通信環境が構築できるので、まさに「MSIのMSIによるMSI信者のためのルーター」って感じです!
ちなみにマザーボードやゲーミングPCがMSI製品ではない方でも、WI-Fi USBアダプターAX1800を使えばMSI Firstが適用されるみたいです。
ぜひ、このWi-Fi USBアダプターを買ってみなさんもMSI信者の仲間入りを果たしましょう!
悪かった点
悪かった点 |
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値段に対する性能が見合ってない感じがする |
実際に使ってみて悪かった点としては、値段に対する性能が見合っていない感じがするところです。
あくまで私個人の感想になりますが、このゲーミングWi-Fiルーターは実売価格約48,000円と非常に高額。
それなのに競合他社で搭載しているような機能が搭載されていない、ちょっと悲しいスペックなんです。
次回以降のゲーミングWi-Fiルーター開発では、他社を圧倒するようなユーザーが感動するような製品づくりをしていただけると嬉しいです!
ということで、珍しいヒートパイプを搭載したMSIユーザーファーストのWi-Fiルーターが気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
現在、Amazonの価格がかなり下がっています!
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